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FWのシャフト選びは、ドライバーとの相性が重要!

秩父テストセンターフェアウェイウッド(FW)のシャフト選びは難しいと思われがちです。「使用頻度も少ないし、とりあえず純正シャフトでいいかな」——そんな感覚で選んでいるなら、少しもったいないかもしれません。
今回は、秩父にある弊社のテストセンターに、ふたりのアマチュアテスターを招き、フィッティングを体験していただきました。
まずドライバーシャフトを選び、その特性を踏まえてFWシャフトを選ぶことで、FWも打ちやすくなり、クラブセッティングの流れも良くなる。「ドライバーとの相性」を重視したFWシャフトの選び方を紹介します。

Section 01

ドライバーとFWは「流れ」で選ぶ

フィッティングを始める前に、フィッターの齊藤が、FWシャフト選びの基本的な考え方を説明します。

「FWのシャフトは、ドライバーと同じか、番手が短くなるに従って10g以上重くするのが一般的。短い番手になるほど徐々に重くすることで、セットの流れが良くなります。同じモデルのシャフトが合う人が多いですが、特性の違うモデルのほうがマッチする人もいます。

ティアップするドライバーに対して、FWは地面から打つクラブであり、必ずしもセオリーがハマらないケースもあるので、そこをフィッティングで見極めます。打ちやすいFWシャフトを選ぶことが出来たら、ショットの成功率は大きく向上します」

  • 坂フィッターフィッター
  • 齊藤フィッターフィッター 齊藤
Section 02

ドライバーフィッティング CASE1
〜手元調子のしなやかさがカギ〜

テスター 中目 祐輔さん最初にフィッティングを受けていただくのは中目祐輔さん。平均スコアは80台で得意クラブはドライバーです。
理想の弾道はドローですが、ラウンド中は右にスッポ抜けるミスが出ることも多く、飛距離を求めつつ安定感を向上させたいという希望があり「しっかりつかまえて、もう少し飛距離も出したい」というのが今日の目標。試打に使用したヘッドは「SRIXON ZXi」(10.5度)です。

まず試打したのは「TOUR AD GC」の6S。ニュートラルな挙動を持つ中調子の代表的なシャフトで、ツアープロも多く愛用しているモデルです。しかし、中目さんのショットは右に逃げる球になりがちで、スピン量も3000回転/分以上と多めという結果に。
「スピンが多い分、キャリー、ランともに飛距離をロスしています。弾道データを見ると、あと500回転ほど減らせると飛距離が伸びるでしょう」(フィッター 齊藤)

タイミングを取りやすくするため、もう少し手元寄りのしなりが感じやすいシャフトを試してみます。

次に試したのは「TOUR AD VF」6S。
先端から中間部を強靭にした強く叩ける中元調子シャフトです。
中目さんは「振りやすい、フィーリングはいい」と感想を口にしていました。ただスピン量は目標値まで下がらず、大きな飛距離アップには結びつきませんでした。

続いて「TOUR AD FI」6Sを試打。中調子でありながら、先端から中間にかけての強靭さに特徴のあるシャフトです。挙動としては手元調子系に近い動きをします。ところが、中目さんは「VF」よりも手元が硬く感じるとのこと。

「一般的にVFのほうがハードなイメージを持たれることが多いのですが、手元のしなりはVFのほうが感じやすいんです。FIは手元寄りが比較的引き締まった設計になっています」(フィッター 齊藤)。

3種類のシャフトを試したことで、中目さんはシャフトの手元寄りが硬すぎるとタイミングが取りにくくなるタイプだということがわかってきました。そこで4本目はさらにしなやかにしなる「TOUR AD DI」6Sを試しました。

「DIが一番切り返しからシャフトのしなりを感じて、タイミングが取りやすく感じました。ボールもつかまるし、好印象です。同じ重量帯のシャフトでも振った感覚はかなりかわりますね」(中目さん)

手元調子系のなかでも、「DI」は粘りとも表現されるしなやかなしなり感が特徴です。タイミングが合いやすくなったことで、ボールのつかまりも改善され、右にスッポ抜けるミスも減るという結果になりました。

Section 03

FWフィッティング CASE1
〜「重量を上げる」ことでFWが得意クラブになる〜

ドライバーが「TOUR AD DI」6Sに決まり、続いてFWのフィッティングへ。
ヘッドは「SRIXON Zxi」 5Wです。

まず、ドライバーで良い結果となった「TOUR AD DI」6Sを試打します。
「振りやすいし、ドライバーと同じ感覚で振れますね」(中目さん)。最初からまずまず良い結果になりましたが、フィッターの齊藤がここでさらに重い重量帯のシャフトを勧めます。
「5Wはクラブが短い分、一般的にはドライバーより10g程度、重量を上げるのがセオリーです」

そこで70g台の「TOUR AD DI」7Sを試打。
重量が増したことでクラブ軌道が安定し、ボールにしっかりとコンタクトするようになりました。ナイスショットが連続して出るようになります。重量を増やすと、高さが出にくくなる場合もあるのですが、中目さんの場合はしっかりと高弾道になり、その心配はないようです。

「そんなに重さも感じないですし、むしろ振ったときの安定感を感じます。もともとFWが苦手だったのですが、だいぶ打ちやすいと思いました」(中目さん)

フィッターの齊藤は「重量が増すと、安定感が高まる傾向になります。中目さんはもともとヘッドスピードが速く、重めのほうがポテンシャルを活かせるでしょう」とアドバイス。ドライバーとFWのシャフトを合わせてフィッティングすることで、どちらも良い結果になりました。

中目さんの5Wシャフトは、「TOUR AD DI」 7Sに決定。
ドライバーと同銘柄の「DI」で統一しながら、FWは重量を一段階増やす。シンプルなセッティングですが、効果は大きなものがあります。

Best-Fit Shaft

Section 04

ドライバーフィッティング CASE2
〜「扱いやすさと飛距離の両立」〜

テスター 甲斐 哲平さん 続いて甲斐哲平さんのフィッティングです。
上級者らしく「左は絶対に嫌」で、少しフェードする弾道が理想だといいます。ただ自身の好みにこだわるというよりも「結果がよければどんなシャフトでもOK」という考え方の持ち主でもありました。使用ヘッドはキャロウェイ「Ai SMOKE ◆◆◆MAX」(10.5度)。

「TOUR AD GC」 6X からスタート。重さも硬さも違和感なく、飛距離やスピン量も満足のいくものでした。
次に「TOUR AD FI」 6Xを試打すると、数値に大きな変化がありました。バックスピン量が1900回転/分まで落ち、ボール初速が70m/sを超えました。弾道は力強いドローで、飛距離も大きくアップ。フィッターの齊藤も「FIの剛性感がハードヒッターの甲斐さんのパワーをしっかり受け止めて、ヘッドに伝えられています」と高評価です。

ただ、甲斐さんの理想は左にいく気配のない安定感のあるフェード系弾道です。そこで、フレックスをXからSに1ランク軟らかくすることで、シャフトの粘り感を増してみました。
より軟らかい「TOUR AD FI」 6Sでは、しなりを強く感じたという甲斐さん。タイミングが取りやすく、フィニッシュもピタッと決まります。
しかし、しなりの動きが大きすぎると感じたようで、「コースに出ると左右の曲がりが出そうな気がします」と慎重な評価。

そこで試したのが、より重量のある「TOUR AD FI」7S。Sフレックスならではのしなりを感じながら振れるのに、重量があるので方向性も安定しています。重くしても意外にもヘッドスピードは落ちず、初速が6Xと同等の70m/sオーバーになりました。飛距離・フィーリングともに甲斐さんが満足できる結果です。
「70g台が合うのは意外でしたね。しなりを感じながら振れるのに、ちゃんと弾道がまとまる。飛距離も申し分ないです」(甲斐さん)

強さと扱いやすさを両立させた7Sというスペック。ドライバーシャフトは「TOUR AD FI」7Sに決定しました。

Section 05

FWフィッティング CASE2
〜FW専用シャフトの実力〜

ドライバーが「TOUR AD FI」7Sに決まり、続いてFWのフィッティングです。
ヘッドはテーラーメイド「QI4D」 5W。ドライバーが70g台ならFWは80g台というのが重量フローのセオリーです。

「TOUR AD FI」7Sを試打すると、「これはドライバーと同じ感覚で打てて、打ちやすいですね」と甲斐さんは好印象。続いて、同じ手元調子系の「VF」と「DI」も試してもらいました。同じ手元がしなりやすいシャフトでも、いくつかのラインナップを用意していて、これらは微妙な特性の違いがあります。

甲斐さんの場合、「VF」7Sでは打ち出し角が低くなり、先にいってからフッとスピンによって吹き上がる、いわゆる“めくれる球”になりました。この弾道は好みではないようです。「DI」7Sでは、シャフトの粘り感を強く感じて、タイミングが取りづらくなりました。

フィッターの齊藤はここで、FW専用シャフトである「TOUR AD F」 を候補にあげました。「FWに装着するために設計されたシャフトで、重量帯のラインナップも豊富です。価格も26,000円前後とリーズナブルで、2本以上FWをバッグに入れる方にもマッチします。こちらも試してみましょう」

まずはドライバーと同じ70g台の「TOUR AD F」75Sを試打。ボールが高くあがって、グリーンでも止められそうな高弾道になります。タイミングが取りやすいようで、ショットの再現性も向上しました。

次は、セオリー通りドライバーよりも10g重くした80g台の「TOUR AD F」85S を試打。重くすることで、5W以降の成功率が上がるゴルファーは多いのですが、現実問題として80g台のラインナップがあるモデルは少ないのが実情です。そんなゴルファーに「TOUR AD F」85S は良い選択肢になります。

しかし、甲斐さんは「TOUR AD F」85S になると重すぎるためか、ヘッドがやや垂れ気味でロフト角が大きい状態でインパクトすることが増えました。FW用シャフトはクラブが短い分、重量感を感じやすいという特性があるといいます。
「意外と重くしすぎないほうが合いそうですね。「TOUR AD F」75S でも重量感は十分出ているようで安定しています」というフィッター 斎藤の評価もあり、FWはドライバーと同じ重量帯で別銘柄の「TOUR AD F」75S に決定しました。

Best-Fit Shaft

Section 06

シャフトの「微妙な違い」が、結果を大きく変える

今回のフィッティングでは、「同じ分類なのに結果が違う」という場面が多くありました。キックポイントが手元寄りというくくりのなかでも、「FI」、「VF」、「DI」その他もそれぞれに明確な個性があり、実際に打ち比べてみると、そのゴルファーによってフィットするものがまるで違います。

中目さんは「DI」のしなやかさがタイミングの取りやすさを生み、甲斐さんは「FI」の引き締まったフィーリングが力を逃さないという結果になりました。同じ手元調子系でも、この2本は別物で結果もその人によって変わるものです。

フィッターの齊藤はこう締めくくりました。「私たちは過去のモデルもあまり廃盤にせず、ラインナップをしっかり残しています。シャフトの微妙なキャラクターの違いで結果が大きく変わるからこそ、選択肢を幅広く用意できていることが、メーカーとしての強みだと思っています」。

今回のフィッティングで、FWのシャフト選びはドライバーとの流れを重視するものの、ゴルファーによって合うシャフトは変わること。そのため、先入観なくシャフトの特性や重量帯を選ぶことの重要さがわかりました。

東京・浅草にあるグラファイトデザインフィッティングベースでは、今回のテストセンターと同様、豊富なラインナップの中からじっくりとフィッティングを体験することができます。また、全国各地で試打会を定期的に開催しています。
シャフトを替えることで、大きく結果を改善することが可能になるシャフトフィッティングに、ぜひ足を運んでみてください。

※本稿は取材時のフィッティング内容をもとに構成しています。結果は個人の特性によって異なります。