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5,000人以上を手がけたクラブフィッターが語るリシャフトの効力
大切なのはいかに自然に、気持ちよく振ることができるか。プロフィッター・金子さんが語るのは「スイングをクラブに合わせる」のではなく「クラブを自分のスイングに合わせる」という考え方。リシャフトによって、あなたのゴルフが劇的に変わるかもしれません。
お客様がクラブを購入される流れとして一般的なのは、店頭で試打や計測をして、結果が良かったものを購入する、もしくはWEB等で見た記事から「これが良いだろう」「スライスする人にはこのクラブ」のような情報を仕入れて、買って試してみる。といったケースが割合多いと思うんです。ただ、そうして買ったクラブが“自分に合っているか”というのを本当に分かっている方は少ないと感じています。実際に私のスタジオにいらっしゃる方は、店頭で試打・計測をしたうえで購入したという方が殆ど。でも実際にコースに出ると、試打した時とは、違う結果が出るのだと言います。
試打での計測は、もちろんデータとして間違いではないのですが、ある程度上達してくると、数値に対して「もっとこういう風に打ったら良くなるのかな」と、“クラブに合わせたスイング”をしてしまうことが多いんです。つまりデータが良くなるように自分のスイングを変えてしまう。そうすると、いざコースに出て、素の自分のスイングをした時に思うようにボールが飛ばない、という事態に直面してしまいます。
それでも「試打して良かった!」という印象が強く残っているため「自分の実力が足りないのかな」と考えがちです。ミスの原因が分からない方の多くは、やはりクラブに合わせて振ってしまっていることが多い傾向にあります。スイングの再現性にバラツキがあり、迷いもあるのではないかと思います。販売店では試打できる種類、選択肢も限られているため、なんとなく店内にある中で良かったものを購入してみる。そんなこんなで結局、ベストではなくベターなクラブ選びを、選択してしまっているのだと思います。当スタジオではカタログに掲載されている全ての重さ・硬さのモデルを揃えていますが、必ずフィッティング時には先入観なく満遍なく打ち比べて頂き、ベストな一本を見極めていくようにしています。まずは、ご自身のギアに興味や、疑問を持って頂くことが上達への第一歩になることを知っていただきたいです。
アベレージゴルファーの方ほど「自分はまだまだだから、道具にこだわっても仕方がない」と感じてしまいがちです。でも、それは実は逆なんです。プロは道具選びに時間をかけて取り組めますが、練習時間が限られているアマだからこそ、合わない道具で遠回りするのはもったいない。もっと道具のせいにしてもいいと思います。
「振りやすい」とは、スイングのタイミングやリズムが自然に取れ、クラブが意識せず体の動きについてきてくれる感覚のことです。素振りのように力まず振れるかどうか、そこに違和感がないか。実はこの振りやすさを決定づけているのが、シャフトなんです。
シャフトのしなり方や戻りのスピードが、自分のスイングのテンポと噛み合っていないと、力みや無理な補正が生まれ、結果的に安定感を失います。多くのゴルファーが「クラブが合わない」と感じる場面では、実はシャフトが合っていないことが大半。ヘッドの性能がいかに高くても、芯に当たらなければ意味がありません。その芯に導くのがシャフトの役割なんです。自分のスイングに正直に動いてくれるシャフトであれば、再現性も上がり、ナイスショットの確率も高まります。「振りやすい」という感覚を頼りに、自分にフィットする1本を見つけることが大切だと私は思います。
最近では、性能の高い市販クラブが手軽に手に入るようになりました。ただ、そのクラブが本当にご自身に合っているかどうかは、また別の話です。市販のクラブというのは、基本的にいろんな体格やスイングタイプの人が、ある程度問題なく使えるように設計されています。けれど個人個人のクセや傾向に合わせたものでは当然ないので、その人にとって最適なクラブであるかどうかはまた別の問題になってきます。
ゴルフクラブに悩んだとき「いっそ買い替えたほうが早いんじゃないか」と考える方は多いと思います。もちろんそれもひとつの方法です。ヘッドもシャフトも一新できるので、性能面での変化は大きいですし、最新モデルを手にすれば気分も上がります。ただ、そこにはやっぱりコストとリスクもあるんですよね。
市販のクラブはあくまでも平均的な仕様で作られています。すごく良いクラブだけど「自分のスイングにはどうか」という視点で見ると、必ずしもフィットするとは限らない。
一方で、リシャフトという選択肢は「いま使っているクラブのヘッドが気に入っているけど、なんとなく合わない気がする」「タイミングが取りづらくなってきた」という方にはとても有効です。シャフトを変えるだけで驚くほどスイングが楽になったり、結果がガラッと変わったりすることもあります。
もちろん、ヘッドとシャフトの組み合わせが根本的に合っていない場合は、買い替えの方がいい場合もあります。でも、もしいまのクラブに大きな不満がないなら、まずはシャフトの変更で改善できるかを試してみるのが、費用的にも、感覚的にも、ちょうどいいアプローチじゃないかと思うんです。
私自身「買い替えるよりも、いま使っているクラブをもっと活かす方法があるかもしれませんよ」とよくお伝えしています。いま手にしているクラブに少し手を加えるだけで、自分のための1本に育てていける。それがリシャフトの面白さであり、魅力でもある。
シャフトを1本変えるだけでこんなに変わるんだということをぜひ体感してほしいと思っています。
印象に残っているお客様がいます。その方は「左へのミスに悩んでいる」とおっしゃっていました。クラブは有名メーカーの元調子のシャフトで「左に行きづらいと聞いたから」とそれをずっと使い続けていたんです。様々なシャフトをお試しいただいている中で、試しに先調子のシャフトをお渡ししました。最初は驚かれてましたよ。「え、先調子って左に行きやすいんじゃないの?」と。でも数球打っていただいたら、まさかのナイスショット連発でした。スイングは変えていないのに、タイミングが合う。余計な力が抜けて、むしろインパクトが安定したんです。何より印象的だったのは、ご本人の表情ですね。「こんなに楽に振れて、まっすぐ行くんだ」って、目を丸くしていましたね。「先調子のシャフトなんて絶対使わないと思ってたのに、自分に合うとは思わなかった」ともおっしゃっていました。
こういうことってよくあるんです。「これは合わないはず」と思い込んでいるうちは、選択肢にすら入らないですよね。でも一歩踏み出してみると、意外な1本が自分のゴルフをガラッと変えてくれる。そういう発見をサポートできるのも、フィッターとしてのやりがいでもあります。
フィッティングは、誰でも受けられる「クラブの試着」のようなものです。決して上級者以外は申し込んではいけないものではありません。例えるなら、洋服や、靴の試着をする感覚に近いです。いくら見た目や評判がよくても、自分の体にフィットしなければストレスになりますよね。それはゴルフクラブも同じなんです。あくまで自分が使う道具ですからね。
クラブが自分のスイングのタイミングや、力のかけ方にしっくりくるかどうか。それを見極めるのがフィッティングです。
プロゴルファーも、自分のスイングをクラブに合わせたりはしていません。彼らは必ず自分に合ったクラブを選び、それを使って勝負しています。それにもかかわらず、アマチュアが「自分のスイングをクラブに合わせる」となれば本末転倒だと思いませんか。練習時間も限られるなかで、道具に自分を合わせるのはかえって上達の妨げになります。
だからこそ、意外に思われるかもしれませんが、レッスンを受ける前にまずはフィッティングを受けていただきたいんです。道具が体に合っていなければ、どれだけスイングを矯正しても違和感やミスは消えません。自分に合っていて振りやすさに優れたクラブなら、スイングは自然と整い、結果もついてきます。
繰り返しますがフィッティングは特別な人のためのサービスではありません。「なんだか振りづらい」「飛ばない」「安定しない」などの違和感があるなら、まずはクラブの試着をしていただきたいです。実際にゴルフをはじめて3か月という方もスタジオに来られたことがあります。当然最初はうまく当たらないんです。でも「これが振りやすい」「振りにくい」という感覚はご自身でも分かる。その感覚を早期につかむことが今後のクラブ選びや上達に大きく寄与すると思います。そしてしっかりと“ベストな1本を選んだ”という体験はメンタル的な安定にもつながります。「もっと早く来ればよかった」とおっしゃって頂けるお客様は本当に多いです。フィッティングは、あなたのゴルフを根本からラクに、楽しく変えてくれる第一歩だと思います。
バリエーションの豊富さが、グラファイトデザインさんの一番の魅力だと思います。あらゆるゴルファーの、あらゆる悩みに応えられるラインナップが揃っていると思いますね。
ですから、これがおすすめ!とはなかなか言えないのですが、ぜひ試していただきたいのは、TOUR ADの「GC」「CQ」「VF」です。
「GC」はもっともクセのないタイプ、「CQ」はいわゆる先調子、「VF」は元調子のモデルで、性能としてそれぞれ対局に位置しています。フィッティングでこの3本を試してもらって、どれが振りやすいと感じるかで、ご自身の傾向や方向性が見えてくると思います。
また特徴としては、製品を発売するにあたりヒューマンテストを特に重視されています。設計時には当然ロボットでのテストも行うのですが、最後は人が打つときにどう感じるのかを重視されています。実際にコースに出たら計測器はなく、頼れるのは自分の感覚のみになります。だからこそゴルファーのフィーリングに合うシャフトが必要になります。他のメーカーさんも勿論そのようにされていると思いますが、特にそこは大切にされていると思います。ぜひ当店や、浅草のグラファイトデザインフィッティングスタジオで体感いただければと思います。