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ゴルフはシャフトで上手くなる!
リシャフトによって自分のゴルフがどのように変わるのか、アマチュアゴルファーならだれもが知りたいところ。ミート率が上がって飛距離アップにつながるのか、はたまた左右の曲がりが抑えられて、方向性アップにつながるのか。興味があるものの、なかなか替えようという決断に至らないのも事実。そこで、何度かリシャフトを繰り返し、ゴルフが大きく変わったという斎藤廉さんに話を伺った。
趣味でゴルフを始めた場合、知人から譲り受けたクラブでボールを打ち始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。私も最初に握ったクラブは父親から譲り受けたもので、シャフトは重くて硬いタイプでした。父親ほどの力がなかった私にはシャフトがしなるようなスイングができず、目標よりも右に飛んでいく打球が多かったですね。プッシュアウトやスライスです。振り返ると、ダウンスイングでクラブが遅れて下りてきていたので、クラブフェースが開いたままインパクトを迎えていたからだと思います。さすがにこのままでは狙ったところへボールを打てないと思い、中古のゴルフクラブを販売しているショップへ行き、アベレージゴルファー向けのクラブを購入しました。
ただ、この時点ではまだクラブやシャフトに対する知識や興味はさほどなく、シャフトのしなりに対する重要性も認識していませんでした。購入を決めた理由もフックフェースならボールがつかまりやすいと考えたからで、シャフトに関するこだわりはありませんでした。実際、購入したクラブが当時の自分にどこまで合っていたのか明確には分からないですし、重くて硬めだったのかもしれません。仮に今の自分がそばにいたなら、「ヘッドよりも自分のスイングに合ったシャフトを選んだほうがいいよ」とアドバイスしていると思います。なぜなら、同じヘッドでもシャフトを替えるだけで球筋が劇的に変化することを理解したからです。
特に仕事に忙しい社会人ゴルファーには、練習に没頭できる時間的な余裕はありません。スイングを変えるよりもシャフトを替えたほうが効率よく上達できるだけに、リシャフトは賢い選択だと言えます。実は私もあることがきっかけで、シャフトに対して興味を持つようになりました。よくいく練習場にいらっしゃったプロのクラブを打たせてもらった際、衝撃的な事実が判明したからです。
プロに打たせてもらったのは3番ウッドでしたが、自分のクラブで打ったときとは明らかに弾道が違いました。強い球が飛んで行くのを見て、私が一番驚いたぐらいです。「自分のクラブと一体何が違うのだろう」。そう考える私の視界に飛び込んできたのが、オレンジ色のシャフトでした。今ならそのシャフトがどのような特性か理解できます。操作性と直進性のバランスがよく、低スピンのショットを安定して再現。上級者からアベレージゴルファーまで幅広い層から支持されているタイプです。「シャフトの違いでこれほどまでに打球が変わるのか…」。私のシャフトに対する興味が一気に跳ね上がりました。
その頃の私は飛距離アップが課題でした。同年齢の方とラウンドしても飛距離が劣っていたり、越えたいバンカーをどうしても越えることができなかったからです。「シャフトを替えれば飛距離が伸びるかもしれない」。ドライバーの飛距離が伸びれば悩みも消えるし、第2打を短いクラブで打つことができるのでグリーンに乗る確率も高くなります。
私の中では飛距離が出ない理由は明確でした。当時は純正シャフトを使っていましたが、バックスピンの量が多いため、ボールが吹け上がる弾道だったからです。ボールが高く上がる分、着地してからの転がる量も少ないですし、風の影響も受けやすいので飛距離ロスにつながっていました。ドライバーショットの理想的なスピン量は2000~2500回転と言われますが、私の数字はそれを大きくオーバー。シャフトを替えることで少しでもスピン量を減らせないかと考えたんです。
私にとって最初となるリシャフトに選んだのは、スピン量が少ないと言われるシャフトでした。クセがなく、標準的なタイプです。早速試打してみると、確かにスピン量が減り、ボールの吹け上がりも抑えられたので、これならいけると思い、リシャフトを決断。ゴルフ仲間からは「前(目標方向)へ行くようになったね」と言われ、自分でも強い球を打てるようになったと思います。
リシャフトする際、少し軟らかめにしたことで、スイング中にそれまで感じなかったシャフトのしなりを感じるようになりました。以前は硬めのシャフトだったこともあり、無理にしならせようとして体に余計な力が入り、振り遅れなどのミスが生じていたのかもしれません。新しいシャフトは普通に振ってもしなりを感じるので力み過ぎることもなく、ヘッドが遅れて下りてくることも少なくなりました。左右への曲がりも小さくなり、飛距離も伸びました。
3、4年ほどスピン量が少ないシャフトを装着したドライバーを使用していましたが、その間に自分のスイングやゴルフも変わったと思います。また、ゴルファーとしての上昇志向もあったので、さらに飛距離が出るシャフトはないか、もっと曲がりを抑えられるシャフトはないかと考えるようになりました。そのときに頭を過ったのが、数年前に衝撃を受けたプロから借りたシャフトだったんです。
自分の中でプロに打たせてもらった3番ウッドの感触はずっと残っていたし、いいイメージを持ち続けていました。ただ、その時とは自分のスイングやパワーなども変化しているだけに、必ずしもフィットするとは限りません。まずは3番ウッドのシャフトをプロが使っていたシャフトに差し替えました。やっぱりいいなと感じたので、ドライバーのシャフトも同じシャフトに交換しました。もちろん、購入する前に何度も試打を行い、リシャフトしたらどのような球筋になるのかをしっかり確認しています。飛距離やスピン量などこれまで使っていたシャフトとどれほどの違いがあるのか、自分のスイングに合っているのかどうかなどをチェック。飛距離的には最初にリシャフトしたシャフトと大きく変わりませんでしたが、曲がりはかなり抑えられました。ただ、数字以上に新たなシャフトが私を引きつけた事実があります。それは、“振りやすさ”です。
自分がスイングした際、イメージどおりにシャフトがしなり、インパクトのタイミングも自然に合うようなシャフトでなければ、実際のラウンドでナイスショットは生まれません。なぜなら、リラックスして打てる練習場とは違い、コースでは風景からくる曲げてはいけないというプレッシャーやスコア面での緊張感があるからです。それが力みとなり、スイングに影響します。自分に取って振りやすいクラブならば、力みによるスイングの影響を最小限に抑えることができるからです。
その後、操作性の高いシャフトに替えたり、最初のシャフトに戻したこともありますが、最終的にはプロが使っていたシャフトに落ち着いています。飛距離と方向性のどちらも大切なので、総合力を判断した上での結果ですが、振りやすさが大きな要因となったのは確かです。
自分に合ったシャフトを見つけると、ミスをしても自分に原因があると思えるので、連続したミスを防ぎやすくなります。「ああ、ちょっとクラブを下ろすタイミングが早かったな」とか、「力んでしまったな」と気がつけば、すぐに修正できるからです。様々な角度から検証し、自分に合ったシャフトを見つけることが上達への近道と言えます。リシャフトしたことで、私はゴルフの楽しさをそれまで以上に知ることができました。
おそらく自分に合ったシャフトといわれても、どのシャフトを選択していいのか戸惑う人もいるのではありませんか。同じシャフトの種類でも長さが変われば重さの感覚も変わります。通常、重めのシャフトでも短ければ振りやすく、長いシャフトでも軽ければしなりを感じます。人によって軽めのシャフトが合う人もいれば、重めのシャフトが合う人がいるのも事実です。トライ&エラーではありませんが、いろいろと試しながら、自分に合うシャフトを探すのがベストだと思います。
私の場合、自分のスイングに合ったシャフトを選択することで、飛距離と方向性が大きく良化しました。それに伴い、コースマネジメント、スコアも劇的に変化しました。最近はカチャカチャのシャフトが多いので、簡単にリシャフトできるのも利点です。私は練習場で開催される試打会やゴルフ用品の量販店でいろんなシャフトを試しましたが、最近はフィッティングスタジオもシャフトの種類が豊富だと聞きます。リシャフトしやすい環境は充実しているだけに、足を運んでみるのも一考です。
・スタンスを広げてベタ足のまま腕だけでスイング
ダウンスイングで左サイドにスエーしたり、体の正面からクラブが外れているなと感じたときに有効。スタンスが狭いと体の軸が傾きやすいが、広げることで軸も安定する。
・練習場ではストレートボールではなく、あえてスライス、フックを打つ
実戦のラウンドで構えにくいホールに対応できるように、普段からあえてスライス、フックを打つ練習をしておく。
・ボールをロングゴムティの上に乗せてフェアウェイウッドで打つ
練習マットの上からだとダフっているか分かりにくいので、チェックのためにロングゴムティの上にボールを置いて打つ。ボールだけクリーンに打てればOK。
・サンドウェッジで高低、左右を打ち分ける
クラブが短いサンドウェッジならクラブを操作しやすいので、高い球、低い球、フック、スライスを打ち分けやすい。サンドウェッジと同じ感覚でドライバーを打つと、ボールをコントロールしやすくなる。